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風呂場なのでその声が思いのほか反響して、それが恥ずかしくてたまらなかった天莉は、両手で口を覆ってしまったのだけれど。
それが運の尽き。
今までお尻側から伸ばされていた尽の手が、スッと天莉の身体を躱わすようにして前から伸ばされ直してきた。
そうしてスリリ……と先程シャワーの水圧でさえ敏感に感受した控えめな陰核へ、尽の指が触れてくるから。
天莉は懸命に声を出すまいと口を押さえる手指に力を込めなくてはいけなくなった。
もうすっかり泡なんて洗い流されたはずなのに、尽の指先は天莉が吐き出す愛液にまみれてぬるぬるとした滑りを纏って、何の抵抗もなく尽の指を前後させる。
そのたびに固く勃ちあがった小さな花芽を擦り上げられ、こねられて……天莉はガクガクと腰が震えてしまうのだ。
今にも足の力が抜けて座り込んでしまいそうなのに、そうならないのは尽に背後からガッシリと抱きすくめられているからに他ならない。
「やっ、ぁ……、んン……!」
ギュッと両手で唇を塞いでいても、刺激が強すぎて声が殺し切れない。
天莉は情事の際いつも博視から言われていた通り、懸命に声を出すまいと頑張ったのだけれど。
***
「ねぇ、天莉。どうしてキミは、そんなに必死になって可愛い声を抑えようとするの?」
シャワーヘッドを浴槽の中へポチャンと預けた尽は、あいた手で天莉の唇を塞ぐ手に触れた。
尽は天莉の耳殻や首筋や鎖骨にチュッ、チュッ……とキスを落としていきながら、下に伸ばした指の腹で天莉の敏感な所へ刺激を与え続けることも忘れない。
そうしておきながら、尽は天莉が躍起になって塞いでいる手を口から引き剥がしてしまうと、「ねぇ天莉。俺に天莉の感じてる声を聴かせて? 俺、天莉の可愛い声が聴きたくてたまらないんだけど」と低めた声で耳孔に囁き掛けた。
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