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「ふっ、……ぁ!」
無意識に天莉の陰核をこするようにして前後した尽の欲望に、天莉がビクッと身体を跳ねさせながらも唇を噛みしめて声を押し殺しているのが鏡越しに見えて。
尽は天莉の手を左手一本でひとまとめに拘束し直すと、天莉の唇に指を差し入れた。
「天莉、噛んじゃダメだ。……唇が切れてしまう」
天莉が傷付くのはイヤならば、腰の動き自体を止めてやるのが一番手っ取り早い。
だが、天莉の秘唇に押し当てた雄槍を前後させるのが簡単に止められないのは、男の性と言うやつだろうか。
これまで尽は女性と一線を越える事態になっても、ここまで我を忘れるような衝動に突き動かされたことはない。
だが、天莉が相手だとどうにも勝手が違って、かなり頑張って自分を律さないことには本能のままに天莉を貫きたくなってしまう。
そもそも、いま自分は避妊具を装着していないのだ。
それでこんなことをしたらダメだというのは、分かり切っているというのに、行為を中断させることも……ゴムを取るため天莉から離れることもしてやれそうにない。
こんなこと、いつもの自分なら絶対にあり得ないことだ。
なのに――。
(くそっ。このまま挿入てしまいたいっ)
グッと奥歯を噛みしめるようにして自制していないと、角度を変えて天莉の中へ押し入りそうになってしまう。
天莉の小さな身体を下から滅茶苦茶に突き上げて、天莉が何も考えられなくなるぐらい蜜壺をかき回してやりたいとか、そういう凶悪な本能に押し流されそうな衝動をこらえるのは、容易なことではなかった。
そんな尽をギリギリのところで思いとどまらせているものは、天莉が懸命に感じるのを我慢しているように見える辛そうな顔と、子作りするのは籍を入れた後だという想いだけ。
だが――。
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