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煽られるだけだと分かっていても、心裏腹。
尽は天莉のイイ声が聞きたくてたまらないのだ。
天莉が唇さえ噛まなければ、すぐにでもこの愛らしい口を解放してやって、思うさま啼かせてやりたい。
「そんなことをするぐらいならっ、開き直って声を出せ、天莉……っ」
差し入れられた尽の指を噛まないように頑張っているんだろう。
天莉が口の端から嚥下しきれない唾液を零しながら苦しそうに眉根を寄せるから。
ここまでお膳立てしたんだ。
今度こそ可愛い声を聴かせてくれるだろうか?
そう期待した尽は、理性を総動員して一旦腰の動きを止めると、天莉の口から枷になっている指を引き抜いてみた。
なのに、すぐさま発せられたのは期待したような艶めいた嬌声なんかではなく――。
「……やだぁっ。だって……こういう時に声、出、すのっ……、はしたな、いからダメ、だってっ……ずっと言われ、てっ。わ、たし……尽、くんにっ、嫌われたく、なっ」
今まで一杯一杯でうまくしゃべることの出来なかった天莉が、泣きそうな声で一気にそんなことをまくし立ててくる。
尽はその訴えを聞くなり、こみ上げてきた怒りで我を忘れそうになった。
「天莉。それ、俺の意見じゃないよね?」
尽は天莉の口中へ再び指を挿し込むと、それ以上言わせないよとばかり、乱暴に天莉の口腔をかき回した。
天莉が口蓋を撫でられるのが〝好き〟なことは、何度か交わしたキスで履修済みだ。
そこをわざと責め立ててやると、天莉が我慢出来ないみたいに吐息を漏らした。
「ふ、………あっ、や、ぁ。………んんっ!」
そうして、それと同時。動きを止めていた雄芯を、強く天莉の陰核へ擦り付けるようにして律動を再開する。
「ひゃあ、ぁっんっ、じ、んくんっ。やんっ、ダメぇっ」
尽は存分に天莉の唾液をまとわせた指を、彼女の口から糸を引かせながら抜き取ると、そのまま濡れそぼった指で、泡を押しのけるようにぴんと立ち上がった天莉の愛らしい乳首を押しつぶすようにして可愛がった。
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