(17)声を聴かせて?*

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(じん)、くん……、私……」  何気なくつぶやいて、ゆっくりと身体を起こした天莉(あまり)は、ふと自分の様子に目をやって、裸の上に真っ白なバスローブを一枚羽織っただけの状態だと気が付いた。 (な、んで……バス……ローブ?)  ふとそんなことを思ったと同時、先程まで尽と二人、風呂場でやらかしたアレコレの恥ずかしい記憶がぶわりと(よみがえ)ってきて。  真っ赤になって尽を見詰めたら、 「すまない、天莉。キミの身体が俺より熱を持っていた時点で、気付くべきだった」  尽からガバリと頭を下げられて、驚かされてしまう。 「あ、あの……尽くん……?」  恐る恐る声を掛けた天莉に、尽は天莉が風呂場で熱気にやられて達すると同時に倒れてしまったのだと説明してくれた。 (え? それって……のぼせちゃったってこと?)  湯船に浸かったりはしていなかったけれど、高めに設定されたシャワーのお湯が絶えず出続けていたし、風呂ふたの外された浴槽には、湯気のくゆるお湯がなみなみとたたえられていた。  天莉は、浴室全体が寒さを感じさせない程度には温かかったことを思い出した。  当たり前だけど湿度も高めだっただろう。  加えて、尽には言えないけれど天莉は初めて絶頂を知ったのだ。  その瞬間に、張りつめていた糸がプッツリ切れてしまったとしても不思議ではない。
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