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何せここのブランドの服は、一着が最低でも五万円はくだらない品ばかりなのだ。
そんなものを何着も買われたらたまったものではない。
そもそもそんなに大量の服を持ち帰って、一体どこへ仕舞うの!?と口にしそうになった天莉は、尽のマンションがだだっ広かったことを思い出した。
そう。それこそ、収納スペースなんて作ろうと思えばいくらでも出来てしまえそうなほどに。
それに――。
そんな要らないことを口走ろうものなら、『じゃあ収納が沢山ある家に引っ越そうか』とか言い出しかねないとも思って。
(きっ、金銭感覚がめちゃめちゃおかしいのよ、尽くん)
天莉と両想いになってからの尽は、天莉のためと銘打って使おうとする金額の桁が世間様とは何桁もズレているのをひしひしと実感させられまくりの天莉だ。
(これだってそうだもん)
オーダーメイド品で返品が利かないと言われたから受け取りはしたけれど……。
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