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一生懸命ままならない身体を鼓舞して二人から少しでも離れようと頑張ったのだけれど、情けないことにほんの少し身じろぐだけで、物凄く時間が掛かってしまった。
「なぁ、オッキー。今からやること動画とかに残しとけばいいんじゃね? よく見たらさぁ、この子婚約してしてるみてぇじゃん? 婚約者に知られたくないこと沢山残されたら嫌でも俺らの言うこと聞いてくれるっしょ?」
「おっ、ザキ、お前さすがだな。それ名案だわ。――なぁ、俺とりあえず撮影に徹するから前半はお前が楽しめよ」
「え? いいの? お前、わざわざ自己紹介したってことはさ、この子のこと気に入ってんじゃねぇの? そんな女、俺なら先にやりてぇーって思うけど」
「まぁそれはそうなんだけどさ、ヘマしたのは俺じゃん? 口封じの材料が欲しいのもお前じゃなくて俺なわけよ。だからまぁ、そこは自業自得ってことで我慢するわ」
ソファに横たえられた自由のきかない身体をジロジロと品定めするような視線で舐め回されながら、〝オッキー〟〝ザキ〟と呼び合う二人の会話に、天莉は寒気を覚える。
天莉だって何も知らない生娘ではない。
目の前の二人が、今から自分にしようとしていることが何となく分かってしまった。
それに――。
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