(21)解毒*

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 信じると決めたくせに身体が小さく震えているのが分かって……自分ではまともに動かすこともままならないのに、何でそんな反応だけちゃんと出来ちゃうの?と、天莉(あまり)はどうしようもなく悲しくなった。  震えたりしたら、(じん)に心配を掛けてしまうではないか。  そんな天莉の心を包み込むみたいに、尽がふわりと口付けてくれて――。 「そんなに怖がらなくても大丈夫だよ、天莉。キミが嫌がることは極力しないし、なるべく優しく出来るよう、俺も精一杯頑張るから」  言うなり、壊れ物を扱うみたいに丁寧な所作で天莉を抱き上げた尽が、(よど)みない足取りでベッドルームへと向かった。 *** 「あ、んっ、(じん)くん、もぉ、っ――」  尽の手技に、臀部下(でんぶした)へ二つ折りにして敷かれたタオルをグショグショに濡らして達したのは、今ので一体何回目だろう。  いくら色々な備品が潤沢に揃えられたロイヤルスイートとは言え、バスタオルばかり何枚もこんなことで使いものにならなくしているのだ。  そろそろ入浴した際に身体を拭くためのタオルがなくなる気がしてしまった天莉(あまり)だ。  尽が、膣内に差し込んだ指を、恥骨付近へ向けて軽くノックするみたいに動かすたび、排尿感に似た感覚が湧き上がってきて……天莉は懸命にイヤイヤをするのだけれど。  またしてしまう!という羞恥心(しゅうちしん)を、尽が口付けと陰核への刺激で削ぎ落とす。  その度に結局局部から大量の体液を吹き出させて、天莉はクタリと尽の腕の中で力を失うのだ。  全身の気だるさにぼんやりと脱力して少し休んでいる間に、尽に口移しで水を何口も何口も飲まされる。  それが済んだらまた膣内を刺激されて、もう無理だと(あえ)ぎながら同じ経緯をたどってしまう――。
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