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「えっ。嘘……。でもあの女医、私には何も……」
「そっか。やっぱり身に覚えがあるんだ」
「ち、違っ!」
「何が違うんだよ。泊まりがけで手術をしたって日だろ? 紗英が浅田先生のご主人と、彼らの自宅でそういうことしたの」
「紗英! それは本当なのかっ!?」
「ち、違う! だって紗英、妊娠なんてしてなかったし……産婦人科なんて行ったことないもんっ! 博視と婚約してからは、博視以外とはそんなことしてないっ!」
「ちょっと待て、紗英っ。お前、妊娠も嘘だったのか!」
紗英の言い訳に則夫が口を挟んだけれど、博視はそんなのお構いなしに続けた。
「おかしいな。浅田先生は紗英が緊急避妊薬をもらいに来たとも話してくれたけど……ウソだったってこと? それとさ、これもアスマモルの二人が言ってたんだけど……紗英、風見課長とも相当仲が良いって。……本当か?」
「ばっ。バカ言わないで! あんなヒヒ爺となんて、寝るわけないっ!」
「俺、風見課長と寝たなんて一言も言ってないけど?」
紗英がヒステリックに叫ぶ周りで、フロア内の人間たちがヒソヒソと「わぁー、マジかぁ。だから江根見さん、あんなに風見課長に優遇されてたんだぁ」「玉木さんへの当てつけとか凄かったもんねぇ?」「何か色々納得」などと言う声がし始めて。
紗英は今すぐにでもこの場から逃げ出したくてたまらないのに、グッと肩を押さえつけたままの尽の手がそれを許してくれなかった。
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遅くなりました!
8万スターお礼のスタ特をupしましたのでお知らせします。(恐らくすぐに9万☆が❤️いつも有難うございます!)
https://estar.jp/extra_novels/26142156
※本編に1☆で解放されます。
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