意外な告白

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「そういえば、お前のスマホの通話履歴に“ヤス”という名前があったな」 「!」 「しかも、2週間前から頻繁に連絡を取ってる。あれは、誰だ?」 「誰って……、昔のダチだよ」  広太郎は明らかに動揺した様子で、視線をさ迷わせながらそう言った。  あと少しで口を割りそうだと思ったところで、取調室に別の刑事が入ってきた。そして、一人の刑事に何かを耳打ちすると、「うん」と大きく頷いた。 「安田啓太(やすだけいた)が捕まったそうだ。どうやら、詐欺グループのリーダー格だったようだな」  刑事たちがドヤ顔で広太郎を見たが、当の広太郎は怪訝そうに目をしばたいた。 「安田啓太って、誰です?」 「うん?」 「お前が連絡を取ってた相手だろう?」 「違いますよ。俺が連絡取ってたのは、◯◯連続殺人事件の真犯人で……、あっ!」  そこまで言って、広太郎はハッと口を押さえた。
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