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「食い物に釣られてどうするんだ!! 子供か!! お前さんは!!」
「食い物っつぅか、梅ヶ枝餅を好きな人間に悪い人は居ない……と、大宰府天満宮の道真公も、そう言ったとか言わないとか。ねぇ、遼ちゃん?」
「俺に同意を求めんでくださいよ!! てか、明らかにめんどくさい何かに、俺を巻き込まんでください!!」
千冬達のやり取りを見ていた月村が、クスッと意地悪そうな顔をしながら笑った。
「佐多さん、みっともないですよ」
「は? お前さん、今、なんつった?」
佐多に対して、明らかに挑発している月村に、佐多の顔が険しくなった。
「言うでしょ? 人のなんとかを邪魔するやつは馬にでも蹴られてしまえ……ってね。ご友人の女性が心配なのはわかりますが、邪魔をするのは野暮のすることですよ?」
「……相手がお前さん以外なら、俺だって黙ってるがな」
月村が肩をすくめた。
「なんだかんだで、貴方もこの女性が気になってるんでしょ? 横から取られるのが、気に入らないだけでしょ? それとも何ですか? 俺の女だから手を出すな……とでも言うつもりですか?」
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