セフレに恋した憐れな俺

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しばらくすると、木下の寝息が聞こえてきた。 俺は木下の額の汗をタオルで優しく拭いた。 「良かった。」 木下はよく眠れているようだった。 俺は安堵した。 そして、彼の手を握った。 「好きだ。」 俺は寝ている木下の唇にそっとキスをした。 「起きてる時に伝える度胸が無いとか笑える。」 人を好きになることが、こんなにも苦しく、儚い事だということを、俺はこの歳になって初めて知った。 今の関係が壊れる事への恐怖と、この関係が変わることへの期待が俺の中で相反する。 あと一歩、踏み出す勇気が欲しい。
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