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俺が出社すると、既に木下は仕事を始めていた。
顔色も良さそうだ。
体調も落ち着いているようで俺はほっとした。
気の利いた言葉を探したけれど、こういう時ほど
何も出てこない。
「木下~」
そんな時に、あの人が俺と木下の間に割り込んできた。
「羽鳥先輩、おはようございます。」
羽鳥先輩と話す時、木下は笑顔を見せる。
俺と話している時は苦しそうな顔ばかりするくせに。
俺は、イライラを抑えようと小さく拳を握った。
「今日の夜、暇?」
羽鳥先輩が木下を誘っている。
聞きたくない。でも気になる。どうしても耳に入ってくる。
「先輩の奢りなら行きます。」
木下、羽鳥先輩の前で酒飲むんだ。
あの顔をこの人にも見せるのか。
そんなこと耐えられない。
これが嫉妬というなら、こんな感情俺にはいらない。
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