並木の恋愛事情

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セフレを待つなんてしたことない。 いつも俺の会いたい時に、会いに行っていたから。 今まではそれで成り立っていた。 でも木下は違う。 声を掛けなかったら、彼から会いたいとは言ってこない。 そこが新鮮でもある。 ロビーで待っていると、木下がエレベーターから降りてきた。 俺が待っているとは予想していなかったようで、驚いた顔でこちらに走ってきた。 「並木、待っててくれたのか?」 「まぁ、」 「ごめん。もっと早く帰れれば良かったんだけど。」 「いいって。それより行くぞ。」 俺の少し後ろを木下は着いてきた。 ここから俺の家までは電車で20分くらい。 早く、木下に触れたい。
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