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「……そっか。不合格だったか」 通話越しに聞こえる末広の声は、残念そうだった。 本命の試験を終え、合格発表の日。 ネットで自分の受験番号を調べたけれど、掲載はなかった。 末広とは違う大学を志望していたものの、同じように大学生として生活できると思っていたから、なかなかにショックだった。 「すべり止めは受かったし、そっちに行くのもありかなって考えたけど、やっぱりもう一年がんばってみたいんだ。だから普段は予備校通いで勉強を優先しなきゃで、会える時間が減っちゃうと思う……ごめんね」 「おれのことは気にしなくていいよ。まぁ、どうしても構ってほしいときは連絡しちゃうかもだけど……来年の春にはおれ、桜子の先輩になっちゃうのか」 「うん。そうなれるようにがんばるね、(しゅう)先輩」 わたしは、決意を新たに、いわゆる浪人生活を最短で終わらせ、1年遅れの春から大学生になれることが決まった。 合格が決まって、末広には何度も祝福してもらったし、大学でできたという彼の新しい友人も紹介してもらい、もうすぐ訪れる未知の世界が、より一層楽しみになった。
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