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朝一番で並んだ、このパーク内で最も人気のアトラクションに乗り終え、出口を過ぎると、灼熱の太陽がわたしたちを歓迎した。 「うわ、あっつい!」 「ほんとに……たしかに暑くなりそうだったけど、こんなに暑くなってたんだね……」 「中にいても暑かったもんな。でもレベルが違いすぎる。移動するときやばそう」 「あ、そういえば、折りたたみの日傘持ってた……」 「まじ? さすが桜子。用意周到、って、桜子?」 「……ごめん。なんでもない。冷たい飲み物買いに行こ」 「ついでにアイスも食べよ」 一瞬、時間が止まったような気がした。 話している途中で、東雲に似たひとが視界に入った気がしたから。 ーーまさか、そんなはずない、よね。   さっきのは、見なかったことにすればいい。   わたしは今日、彼氏(柊くん)と一緒に楽しむことだけに集中しよう。
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