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長い列の先でようやく目的の飲み物とアイスが購入でき、ひと息つく。 「ふぅ」 冷たいものを摂取した末広が、満足そうな顔をした。 「生き返った?」 「生き返った!」 「ふふ、よかったね」 「回復ついでにトイレ行きたくなってきた。行ってくるわ」 「いってらっしゃい」 そうして、末広は化粧室へ行ってしまったので、わたしは日陰で待つことに。 次に何をするか、決めようとスマホを手にするため少し俯き、顔を上げた瞬間、自分の目の前にひとが立っていることに気づいた。 「っ、」 さすがに予測ができなかったので、声にならない声を上げてしまう。その人物を確認すると、思わず口元を手で押さえてしまった。 「……なんで」 久しぶりに見た美しい顔の男に、小さく声が漏れる。 「たまたま、大田と相原と来てて、ふたりとはぐれて、探してたら桜子がいたから」 あんなことがあった後なのに、目の前のひと……東雲楓はわたしに対して気まずさなどまったく感じずに言葉を返した。 「そう、なんですか。でも、わたしを見つけても仕方ないですよね」 それじゃあ、とこの場から離れようとすると右の手首を掴まれてしまう。 「待てよ。あの日、なんでピアス置いていった?」 「や。離して」 「離さない。連絡も拒否して……おれの前からいなくなろうとするなんて絶対に許さない」 「いや……っ」 「……桜子?」 「っ!」
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