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「そういえば、サークルってどうするか決めた?」 伽奈ちゃんの、何気ない一言だった。 それを待ってましたとでも言わんばかりに、萌凛ちゃんが反応する。 「映研一択、だね! 何か入りたくて、でも何がいいかわからないって言うなら、ぜひ!」 「えっ、もしかしてもう入部してる?」 「いやぁ、実は知り合いの先輩が所属しててね、勧誘するよう頼まれて……もちろん、わたしも入るつもりだけど」 「そうなんだ」 「伽奈ちゃんは?」 「わたしは軽音かなぁ。萌凛ちゃんみたいに知り合いがいるとかではないんだけど、高校時代の名残りで、また同じものやろうかなと。まぁ見学してから決めようと思ってる」 「へぇ、ふたりとも、すごいんだね」 「桜子ちゃんは? 入らないの?」 「うーん、どうしよう。明日のガイダンスで良さそうなのなければやめとこうかな」 「そっか。もし興味持ったら、ぜひ映研にね!」 強烈な勧誘だったが、とりあえず軽く受け流し、午後の授業もしっかり受け、ようやく一週間が終わる。 「……あ。桜子!!!」 「柊、くん?」 3時限終わりのわたしは、5時限目に授業を入れたというふたりと別れ、大学を出て駅の方面に向かって歩いていた。すると、前方ではなくなぜか背後から末広に声をかけられる。 「なんで、ここに……」 「迎えに来たの。でも、危うく行き違いになるところだったな……ちゃんと連絡すればよかった」 「そっか。ありがとうございます、」 「くるしゅうない」 「あはは」 「いや実は、この大学の近くに楽しいところがあるらしくて、そこに行きたいのも兼ねて迎えに来たんだ。ね、今から行ってみない?」 「いいよ。でも、楽しいところって?」 「たぶん、身近にありすぎて、見逃してるところ!」
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