拝啓、中学生の私へ -創作-

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拝啓、中学生の私へ -創作-

とあるボカロPに影響されて書いたやつ。 安心して下さい、創作です。 ※4ネタ 閲覧注意 拝啓、中学生の私へ あなたは崩れた家庭環境から社会というものに希望を抱いていましたね。それは間違いです。朝から人間の波に揉まれ着いた先では暴言を浴びせられ不法に働かされる毎日。休みの日もこんな性格で友達もできずただ一人でネットサーフィンをしています。何のために生きているのかもわからないまま携帯を眺めている自分が、ただただ虚しくなる、そんな毎日です。 時々思いましたね。もし私が普通の家庭に生まれて、他の子と同じように生きることができていたら? 私の親はどちらもよくわからない神を崇め、貴方にも崇拝を強制されていましたね。友達と遊んだだけで酷く叱られましたね。 高校を卒業し私が住所も知らせず上京したことでそこからは抜け出せましたが、時々ポストを漁っていると電気代請求などの手紙の中に宗教側からの脅迫の手紙が入っていたりします。今のところ親はこちらには来ていませんが、一体どうなるのでしょうか。きっと今見つかれば、どうなるかは想像つくでしょう。 またその他に大学生になった時貴方は一つ許されない大きな”罪”を犯しました。今言えば、正当防衛として無罪になれるでしょうか?それを試す勇気はありません。幸い彼の家で隠蔽をはかったため警察は自殺として片付けています。今、私の隣にその隠蔽に使ったロープが吊るされています。ゴミの散乱した部屋に吊るされたその縄は、まるで蜘蛛の糸のようです。まあ、本物が無数にあるのですが。 最近出社するときに通る家の窓にてるてる坊主が吊るされているのが見えました。てるてる坊主は晴れを願うために飾られるもので、きっとその家も晴れを願うために飾ったのでしょう。私にはそのてるてる坊主の紐が蜘蛛の糸に見えました。 家に帰って、てるてる坊主を沢山、とにかく沢山作りました。一人よりも、一緒にいたほうが怖くないでしょう?赤信号、皆で渡れば怖くないです。 今日起きてポストを見たら、縁を切ったはずの母親から大量の手紙が届いていました。スマホを開いたら、職場の上司が昨夜仕事のミスか私を呼び出していたことがわかりました。かなり大きなミスのようです。部屋に戻ると、窓につけられた無数のてるてる坊主がこちらを呼んでいるように思いました。ふと蜘蛛の糸の向こう側を見てみると、小さな子供がこちらを呼んでいるようでした。しかし、高くてうまく見えません。足場を持ってきました。また覗くと、向こう側には鮮やかな光がこちらを呼んでいました。向こう側へ行こうとしましたが、こちらにはもう戻れないことを悟りました。最期になにか書き残そうと便箋を取りましたが、書く相手は貴方しかいませんでした。届かないとは思いますが、許してください。 向こう側へ行くことはとても大変です。もし一度向こう側へ行ってしまえば、二度とこちらに戻ることはできません。それでも、全てが晴れ渡ることを願って。 てるてる坊主、てる坊ず、あした天気にしておくれ。 敬具
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