お嬢様リアサ

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お嬢様リアサ

 良い天気だというのに、デミカは出て来ない。  アージュリー家の娘リアサの私は、朝起きて、目を覚ましたら、すぐに洗顔のタライが出てくる。  その後、お着替えをされて、朝の食事をうやうやしく侍女たちに囲まれて食べる。  いつもは待つことなどないのに、一瞬でも待つってのは退屈だわね。  そう言ったら、ミャミスに怒られる。  我がままだって。ミャミスはデミカがいない間の私専属のメイドで、デミカより文句が多い。  暇だわ。少しでも待つのは嫌い。嫌いだって、あ、今、分かった。だって、私、嫌いな物少ないもの。  父上、母上はゆっくりと朝のお茶を味わい、家人と共に馬で出かけたり、事務をしたりする。毎日、忙しいわ。唯一の子供である私だって構うことはない。  もう、失礼しちゃう。ふん、いいんだもんね、私一人だけでも遊んで見せるわ。  窓を開けると、肌に風が優しくあたり、お空のやわらかな日差しがとても心地いい。  今日は晴天。こんな日は、お外で遊びたい。  庭の薔薇園で、いっぱい薔薇を見るの。良い匂いもしてたまんないわ。  さて、何して遊ぼう? 「わーい、わーい」  その時、私は見た。窓から見える前庭に、子供たちが遊んでいるのを。  金の髪の少年、黒い髪の少年、茶色の髪の少年たちと、子供たちの遊びの集団。  この近辺に住む村の子供だ。  いいな、いいな。  あの子たちは遊び回っているのに、どうして私は家の中で大人しくしてなければならないの?
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