隣の席

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教室へと移動すると、室内では人が偏った場所へ集合している。 「ねぇ、カエ…なんの騒ぎ?」 「さぁ…?」 気にせず、教卓の上にある座席表をチェックする。あ…私、さっき見た鈴野(すずの)さんの横だ。すぐに、りこもやってきた。 「えー、うそ…私、逢坂さんの隣…カエと席離れてるし。 …え!カエは転入生と隣!?羨ましい〜」 「どんな人かわかんないよ?」 気にせず自分の席に… と思ったけど、人だかりのところにあるみたい…。 めんどくさいことに巻き込まれたくないな。 「あら、カエさん。私と席変らない?」 逢坂さんが人だかりから出てきた。頭の上で結んだ、ピンクの髪が目立つ。 「なんで?」 「隣が鈴野くんなの。隣になりたいから」 「誰それ?」 「ほら〜カエさんこっち」 連れてかれたところの席に座っていたのは、パーマみたいな茶髪の、緑色の目をした男の子だった。やっぱり中学にいなかった人かも。 「鈴野くん。この人はカエさん。私と席変わることになったから」 「…言いなりになるんですか?」 なぜか悪者のように見られてる? 「…状況がわからなくて。えーと、逢坂さんの友達?」 「そーなの!さっき話しててね!」 「そうそう。ピーチちゃんが隣がいいって話してて!」 「羨ましい…ピーチちゃんの隣なんて」 ピーチとは、逢坂さんの芸名である。近くにいる人たちは、男女ともにファンのようだ。
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