隣の席

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「友達になったみたいだし、席変わってもいいよ。私も、りこの隣になるし」 「ありがとー!カエさん!優しい」 「それは、先生が許可してくれるんですか?」 なぜか鈴野くんは無表情で、私を見てくる。知らないよそんなこと。 「もちろん、私がちゃーんと伝えとくから大丈夫!心配しないで!鈴野くん!」 「ピーチちゃんが言うなら間違いない!」 「そうだそうだ!」 そんなわけで、私はりこの隣に移動。 「カエ…なんか揉めてたけど…どうしたの?」 「席変わって欲しいって逢坂さんに言われた。だから変わってきたよ。りこも逢坂さんの隣は嫌だったでしょ」 「…でも、転入生さんのせっかく隣になったのに」 「逢坂さんと話して友達になったみたいだよ」 「えー、なにそれ。嘘くさい!」 「まぁなんでもいいよ」 普通に、のんびり過ごすのが1番だよ。楽しければそれでいい。 そうこうしてたら、先生がやってきた。 「先生〜!私、席交代しました〜!」 逢坂さんは立ち上がって先生に話しかけている。中年くらいの男の先生。 「なんだ君は?」 「先生知らないんですか?」 「ピーチちゃん!」 「アイドルですよ!」 みんな大騒ぎ。 「…名前…逢坂か。席は戻ってもらおうか。名前が覚えられないんでね」 「えー!先生!」 「ひどくない?」 「特別扱いはしない」 「え〜」 「ひどいですよ先生〜」 逢坂さんは、しぶしぶ荷物を持つ。私も慌てて移動した。
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