隣の席

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結局元の席に。なぜか、鈴野くんにじっと見られた。目が緑色だけど、カラコンではなさそう。そして、なぜか無表情だ。 先生はそれから、名前を読み上げて私たちに返事をさせた。 「観音寺(かんのんじ)」 「はい」 「先生。長いからカエさんでいいですよ?(かえで)だし」 逢坂さんは、私のことを気に入ってるのかなんなのかわからないが、みんなにカエって呼ばせたいらしい。中学のときもそうだったけど、観音寺というのは長いし、呼びずらいとよく言われてるし、まぁいいや。 「ピーチちゃんさすが」 「その方が覚えやすいですよ先生」 みんなも賛成しているようだ。 「なるほど?じゃあお前はカエだな」 「はい」 なんかメモられた。 休憩時間になると、みんなまた鈴野くんの周りに群がる。邪魔になるし、私も席を立って、りこのところへ移動する。 「カエ〜離れて寂しいけど…あんなイケメンの隣ってずるい!」 「えー?」 イケメンというのは、よくわからないけど。 「それでーなにか話した?」 「そんな暇ないよ」 「私も話したいな〜、かっこいい〜、付き合いたいなー」 「えー」 ロマンチストなりこは、話してもないのにそんなこと言ってる。 そして、一度も話さないで授業は全て終わった。鈴野くんは放課後もみんなに囲まれるんだろうな。 「帰ろう、カエ」 「うん」 「ねぇカエさん!鈴野くんの隣にしてって先生に話してくれる?」 が、逢坂さんに捕まった。 「ちょっと難しいかも」 「そう?カエさんの言うことなら聞きそうなのに」 「…ちょっと。カエが嫌がってるじゃないの!」 「なに?三つ編みブス」 「な、なんですって!」 「やめなよりこ。とりあえず明日話しておくから。無理かもしれないけど」 「さっすがカエさーん!」 りこは不満そうにしてる。
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