隣の席

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りことそのまま校舎を出た。 「あの人最悪!カエをなんだと思ってるの?」 りこはいきなり暴言を吐き出した。大声で言ってる。 「別になんとも?」 「もーカエは優しいんだから」 「そんなことはないけど」 「あの人ブスとか言ってたけど、自分はどうなの?って感じ。ピーチはデフでブスになってるってネットで書かれてたって言うのにね〜」 「おい、そこの三つ編み」 「今の話、なんだ?」 前を歩いていた男の子たちがやってきた。たぶん、3年生?知らない人だ。 「お前、なに調子乗ってんだよ!」 あ…りこの顔を目がけてぐーパンチが… 「おわ、あ…」 先輩は、目の前でよろけて転んだ。りこは固まってる。 「行こう、りこ!」 慌てて手を引いて走った。上級生もみんな、逢坂さんのファンなのかも。すごい人気。 しばらく走って、分かれ道まで来た。 「じゃあ、りこ気をつけて帰ってね」 「うん…カエまた明日…」 りこは落ち込んでいた。怪我しなくてよかった。 さて、帰ったらバイトしないと。
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