ポリティカル・リフォーム

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 帰り道、熊さんが目を覚ましていて、安藤ロイドと対峙していた。一瞬どきりとしたが、次の瞬間には熱い握手を交わし始めた。 「あんた、何者だい」 「わたしは通りすがりの忍びの者」 「ふっ、忍ばせておくにはもったいない。この俺が手も足も出ないとは。どうだい、今度アームレスリングの世界大会があるんだが」 「考えておこう」  なんだか、謎の友情っぽいものが芽生えている。わたしが呆気にとられていると、安藤ロイドはこちらにサムズアップしてみせた。 「ご心配なく。話はついています。彼はあくまで総理の護衛で、ちょっと力比べをしていただけです」 「おや、お仲間かな。強そうな面構えだ」 「いえ、わたしはか弱い乙女です」  わたしは即座に否定した。安藤ズと一緒にされてはたまらない。 「あの古狸のことは俺も気に入らなかったんだ。(タマ)取りに行くのなら、俺も行くぜ」 「いやいや、そこまではしませんって」  わたしは一体、何者に見えているのだろう。 「わかった。総理の事は俺に任せてくれ。あんたらの仕事、草葉の陰から見ているぜ」 「それだとあなた、死んでることになりますけどね」  わたしのツッコミを意にも介さず、彼は爽やかにサムズアップを返してきた。
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