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最初に剣士の職業を選んだのは当時好きなアニメのキャラが剣を使っていたからだ。まさか職業を変えるとは思ってなくて暗黒剣士をプレイヤーネームにしてしまった。変更不可と知ったときは目が死んだ。
このマギアオンラインでは剣士はソロプレイに向かない。
だから、僕は攻撃と防御のバランスがいい魔術師になった。初期からの職業は特に何の制約もなくころころ変えられるので助かる。
「楽しくなかっただろう。俺がパーティーを組んであげよう」
「組むわけないだろ。さっさと自首しろ」
どうして、このやり取りで組めると思ったんだ。僕はさっさと立ち去ろうとする。
大抵のプレイヤーには行ったことがある場所に簡単に行けるワープ能力があるけれど、僕は冥界のラスボスを倒してないので持ってない。
金髪エルフは素早く僕を追いかける。
「いやいやいや、待て待て待て。お金! 金をあげるから!」
「知らない人から金を貰うほど落ちぶれてないんで。それに犯罪で得たお金っぽいし」
「でもでも、待って待って!」
泣きのモーション連打で付け回されるのはかなりうざい。ステータスの差で撒けない。
僕にはワープ機能がないからログアウトしか逃げる方法がないけれど、ログインしても結局戻ってくる場所はここだ。
一時間以上追い回されて、僕はパーティーを組むことにした。
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