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ドラゴンが金髪エルフを嬲る。動かないエルフをボールのように尻尾で蹴ったり投げたりしている。いくら僕より体力が多くても長くは持たないだろう。
焦って、僕は火の玉をドラゴンにぶつけた。
ダメージ1。虚しく火の玉は消えて、ドラゴンが僕を見る。
ヤバいヤバいヤバいヤバい。
こっちにドシンドシンも大きな音を立てて向かってくる。ドラゴンの動きは遅いけれど、余計に恐怖を煽った。
考えないと。せっかくここまで来たのに何もせずに倒されるのは嫌だ。
闘っていて、少しだけ疑問があった。何故、金髪エルフは大剣を使っていたのだろう。
エルフという種族は本来は魔法に特化した特性がある。魔法を使うことを前提にした種族だ。
なのに、大剣を使っていたのは、もしかするとこのドラゴンは魔法耐性が強いんじゃないだろうか。
僕は剣士に職を変える。武器も杖から剣に変わった。物理攻撃はMPを消費しない。消費したとしても少量で済む。
一発だ。一発で仕留めないと終わる。その一発も操作ミスをすれば、当たらない。
僕は剣を構えてドラゴンに向かって駆け出す。
当たれ当たれと念じながら、キーボードのAのキーを連打した。
なんとかドラゴンの攻撃を受けずに剣は脚を斬る。
ダメージ12。今までの12倍だけど、微々たるものだった。
だけど、ドラゴンの体勢は崩れて倒れ込む。
『おめでとうございます!』というメッセージウィンドウが画面に現れた。
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