告白

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告白

 男はカフェの雰囲気を楽しんでいる。ひとりカフェの落ち着いた店内を眺めている。ホットコーヒーをひとくち飲む男。  となりの席に若い女子二人が座る。  女子同士の会話、男はこっそり聞き耳を。 「さむいよね~、何を飲もうかな?」 「あたし、ホットココア」 「あたしもそれにしようと」  男はこっそり会話を聞く。ホットコーヒーをひとくち飲む男。 「あたし、隠していることがあるの」 「なになに~?」 「あたしのことをどう思っているのかな、なんてね」  他愛もない会話だなぁ、そう男は思った。 「今はあなたのことを好きになりかけているの」 「え? 本当に?」  男はマジで? そう考える。 「あたしのどこを好きなのかな?」 「全部、って言ったら、ウソになるね。あなたとの時間が夢みたいよ」  まあ、今の時代にいろんな人がいるからなあ、そう男は思った。 「好き。あたしも好き。世界の誰よりも」 「あたしも好き」  砂糖入れすぎたかなあ? ホットコーヒーが甘くなってきたなあ、そう男は思った。 「あたしたち、将来は一緒に居ようね」 「それはイヤ」  なんでだよ、男は思った。 「あなたとのお泊まりにいびきがうるさくて眠れなかったから」 「ひどい! あたしたち、そんなことで一緒になれないの?」  まあ、かわいいもんだよな、男はホットコーヒーを吹き出すのをこらえる。 「ねぇ、あたしは遊びなの?」 「それは違うよ? ただ」 「ん? 何よ?」 「あなたの部屋にゴキブリが出た時はヤバかった」  男はゴキブリを想像してゾッとする。 「ひどい! あたしたち、もう終わりよ!」 「待って! 話は終わってない」  男は思った。この二人、もう一緒になれよと。 「あたし、耐えられない!」 「待ってー! 健二ー!」 「え? 男なのか?」  会話を聞いていた男は残された女子と思われる人に思わず聞く。 「はい、あたしとあの子は男の娘なんです」  男は思った。世界はいろんな人がいるのだなあ、とね。 終わり★
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