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若さが溢れるスレンダーな体型だけれど、決して他の女性と引けを取るわけではないが色気という点では劣る。 それを横目で見ながら怜奈は両手の人差し指をツンツンと合わせて、申し訳なさげだ。 どれにも自分は当てはまらなからだ。 体が十分に温まったので凛香は湯から出ようとした。 立ちあがろうとしたその時、鼻先に何か冷たいものが舞い落ちてきた。 「あ、雪!」 「雪見風呂とは、こりゃまた風流な」 銀鼠色の空からは大きな綿雪が舞い降りてきた。 手を伸ばすと、あっという間に溶けて消えてしまう雪。 こんなにきれいなのに、なんて儚い。 まるで一瞬の夢のように。 (お母さんとこんなふうにお風呂に入ってお泊まり、なんてしたことあったのかな?) 凛香は次々と落ちてきては溶け落ちてしまう雪に手を伸ばして、ぼんやりとしながらそんなことを思っていた。 (お母さん…) みゃあぁ… 小さな声で子猫が嘶いた。 「!」 声の先にはいつの間にか黒い子猫がちょこんと座ってこちら側を眺めていた。 大きな金色の目でじっとこちらを見ていた。 ジェディがいきなり何かを引っ掴んで竹壁の一点に向かって投げつけた。
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