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投げられたものは、外庭にあった大きな玉砂利だった。 竹壁の向こうにある針葉樹の枝が一瞬、大きく揺れた。 傍目に見てはこれまでに降り積もった雪の重さに耐えきれなくなって自然に枝から雪が落ちていったような動きだったのだが。 「がっ‼︎」 男性の太い声で悲鳴が響いた。 それと同時に女性陣は一斉に両腕で前身を覆い隠しながら湯の中に身体を沈めた。 仁王立ちになっているのはジェディだけである。 ひとまとめにしていた髪がはらりと解けて風に靡いていた。 「それ以上、頭が上に上がってきたらくびり殺しますわよ、伊達さん」 口元が引き攣った状態で、握り拳になった腕がブルブルと震えていた。 湯の中に顔を半分以上浸したまま、凛香は顔を真っ赤にしていた。(もちろんお湯の熱さのためではありませんが) 「ひどいなぁー。僕だってぇ〜夕食前に〜ただ露天風呂に入浴しにきただけなのに〜」
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