F∴A∴凛香とフーミンの事件簿３

４

こんな場所で1人でいる彼女はどんな顔をしているのか？
煌めく金髪の彼女は何をしているのだろう？
それが知りたかった。

冷静な状態なら、この状況を疑っただろう。
今までの雑多な住宅地にいたはずなのに、突然この心洗われるような自然の中に佇み、まるで全身を弛緩させるような気持ちのよい日差しと風とに背中を押されているようだった。

しばらく歩くと目の前には一本の小川が流れていた。
流れる水面が日差しに反射して空気中にさらなる光の粒子を生み出していた。
流水音からも粒子が弾き出されるように生まれ、日差しよりも眩しく発光しているように見えた。
それは意思を持っている妖精のようにも見えた。

凛香が川に近づくと歓迎するように周りに集まってきたからだ。
『こちらにおいで』と、進むべき道を示すように光の粒子が一本の道のようにトンネルを形づくった。

その先にいるのは、まさに金髪の女性がいる場所だった。
凛香の歩みは止まらなかった。
足を一歩前に出すごとに、頭に霞がかかっていく気がした。

不安や恐怖を感じるているわけではない。
ただ前に進みたいという思考だけが自分の中にあった。