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「ロゴス!成人しても、お酒は20歳からでしょうーに!」
「サーペンテ!自分のこと棚に上げて何言ってるんだよ。お前だって18になった途端にクレジットカード作ってニヤニヤしてただろう?」
「それとこれとは話の次元が違うのよっ」
「まあまあ、ロゴスさんもサーペンテさんも、落ち着いてください。まず、自分の荷物を部屋に運んだら茜さんの手伝いをしてください。宴会用のおつまみや飲み物がまだ車の中ですから」
少し舌足らずな口調で怜奈が促した。小柄な体に似合わない大きなバックパックを背負い、ひたいに汗をかきながらカニのように荷物を運んでいた。
「怜奈ちゃん、ひとつ持つよ」
見かねたのか堂宮が大きい方の荷物を軽々と片手で持ち上げた。
「あ、ありがとう。助かります」
「あれ?凛香ちゃんは?」
「え?さっきまで私の後ろいたはずですが?」
堂宮も怜奈も部屋の入り口まで戻り、あたりを見まわした。
「あーw やっと着いたw」
小学生の凛香が缶ビールの入ったビニール袋を抱えるように運びながら立っていた。
顔は急いで来たためか、焦ってきたためか赤かった。
「エレベーターで降りる階をまちがっちゃって、迷ってました」
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