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「凛ちゃんもマメね〜。じゃあ、今夜はワインとウィスキーでただくわ」 ウィンクをしながらジェディが言った。 「ちょっとそこどいて!」 ゼーゼーと息を切らせながら茜がズシンズシンと地響きのするような足取りで部屋の中へ入ってきた。 「茜さん、いくつ持ってきたのよ!?」 小上がりに大きな黒いナイロン製のトートバックを3つほど放り投げた。 肩で息をしながらちょっとずつ息を整えていくと、ビシッと一点を指差し、鋭い眼光で目の前の男性を睨みつけた。 「幾つも何もこれで全部よ!堂宮!」 「は、はい!」 「これ全部リビングに運べ!ぐずぐずするな!」 「Sir, yes, Sir!!!」 「で、鬼軍曹殿、そのあとは?」 「決まってるじゃないの!手伝いもしないタダ飯ぐらい伊達さんをぶっ飛ばしに行く!」 握られた拳は血も滲まんくらいの勢いで振り上げられた。
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