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体を動かすことが好きな凛香からすれば残念で仕方がないところである。 「家に帰ったら、まず冷水シャワーを浴びて、冷房と扇風機をガンガンかけて(でも節電要求がきてるから28度でねw)、それから冷凍庫にしまっておいたシャトレーゼのチョコミバッキーをバキバキと…何本食べようかな〜?」 そんなことを思い描きながら、口元が緩んでしまった。 駅前から住宅地に入ってきて、人通りも少なくなってきた。 とはいえ時間はまだ午後3時過ぎだ。 もう30分もすれば、少しずつ気温も下がって、体感温度も下がってこようが、連日35℃越えの猛暑日で続きで熱波が吹き付けていた。 「この通りの角を曲がれば、家までは、あと少し…」 できるだけ街路樹の日陰があるほうを歩いてきたが、夏場の太陽がつくる日陰はほとんど幅がない。 できるだけ足速に歩いているつもりだが、時々意識が朦朧としてくる気がした。 熱中症の初期症状だろう。 水分を補給しようにも、水筒はランドセルの中だった。 もうすぐ曲がり角に差し掛かろうとした時である。 近くでかすかに動物の鳴き声が聞こえた。 小さく弱々しい鳴き声。 凛香は辺りを見回した。
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