淡い恋心

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そして俺は、自分の想いを… ずっと心に秘めていた美剣への気持ちを、勇気を振り絞って伝えた。 「お、俺も…っ、美剣が好き…っ。だから、手紙見つけた時…美剣が俺から離れちゃうんじゃないかって苦しくなって…っ」 「それ…ほんと…?」 「うん…っ、他に好きな人いるって言われて…あぁ、告ってもいないのに振られたぁ…って。涙止まらなくなっちゃって…っ」 美剣の手が俺の手をすり抜けると俺の涙を拭い、数秒目があった後、力いっぱい抱きしめられた。 これは…受け入れて貰えたのだろうか? 俺と美剣は両想いって事で間違いないんだよね? 突然の事にどうしていいか分からず離してしまった手は中に浮いたまま、嬉しいのと緊張で固まってしまった。 「あの手紙貰って…自分の本当の気持ちに気がついたんだ…俺が好きなのは美生だけだって…だから美生も同じ気持ちならこんなに嬉しいことは無いよ…っ」 「美剣…っ、苦しい…っ」 「あっ、ごめん…っ。大丈夫…?」 「う、うん…っ」 恥ずかしくて思わず苦しいなんて言ってしまったけど、本当は死ぬほど嬉しかった。 ねぇ、美剣…俺は多分…美剣が思ってるより、美剣の事好きだよ…? それでも、俺を好きでいてくれる…? 「俺…多分、美生が思ってるより美生の事好きだよ…」 「えっ、嘘…。俺、同じこと思ってた…」 「じゃあ…受け止めて…」 肩を寄せられ美剣の顔がギリギリまで近づいてくれば何をされるのかは明確で、宙に浮いたままだった手を美剣に伸ばすと力いっぱい美剣のシャツを掴んだ。 目を閉じてすぐに美剣の唇の感触が伝わり、思わず息を止めた。 本の数秒…だけど俺にはものすごく長い時間に思えて、唇が静かに離れた後も心臓はバクバクと脈打ち息ができないっ。 「美生…息して…?」 「んっ、はぁ…っ」 「大丈夫…?」 「ふぅ…うん、平気…っ」 「美生…」 再び美剣の腕の中に包み込まれると、嬉しくてまた涙が零れてくる。 美剣も俺と同じ思いだなんて、今でも信じられなくて、離れたくないずっとこうしていたい…そう思ってシャツを掴んでいた手をそっと離し、美剣の背中に手を回し力いっぱい抱きついた。
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