幼い頃の記憶

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幼い頃の記憶

(お前はなんでそう出来が悪いんだ!!) (ごめんなさいっ…ごめんなさいっ…) (もうそんな言葉は聞き飽きたっ、たださえひ弱で使えないって言うのに…っ、勉強くらいできないのか!?) (…っ、ごめん…なさい…) 毎日毎日怒られて… 体調が悪い日は、一人でずっとベッドで横になってるだけ。 俺は…なんで生まれてきたんだろう…。 お父さんは、俺のことが嫌いなんだ。 (もういいっ!!お前がこんな出来損ないを産むからだっ!しかも女みたいな名前つけやがって…っ、だから余計ひ弱になるんだ!) (ごめんなさい…あなた) 俺のせいでお母さんも怒られる。 俺はきっと…いない方がいいんだ… バタンと勢いよくドアが閉まりお父さんが出ていくと、お母さんは俺を抱きしめてまた謝り続ける。 (ごめんね、美生(みお)…ごめんなさい…) (お母さん…俺、生まれてこなければ良かった…) (そんな事言わないで…っ、美生…) でも、本当はお母さんだってそう思ってるんでしょ? 俺の事、失敗作だって―――
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