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そろそろお腹が目立ってきた頃だ。
赤ん坊の買い物を2人で見に町に出た。
「この服可愛いね。」
「ああ。性別は聞いてないから、この色は丁度いいかもな。」
俺の奥さんの持っているのは、クリーム色のベビー服。
「だよね。」
奥さんは、ずっと俺に敬語だったが、今はやっと話し方がフランクになっていた。
「何枚か買っておこう。この色身でデザイン違いが良くないか?」
「うん。」
「あといろいろ見なきゃな。体調大丈夫か?」
「うん。今日は平気。」
最近時々具合が悪くなるときがあった。
「え?」
そう呟くから、顔を覗き込んだら、奥さんは顔色が悪くなっていた。
「どうかした?」
「え…と。」
知らない男がこっちに歩いてきた。
「おい!久しぶりだね。」
「もう関係ないから、喋りかけないで。」
「あんなに俺のこと好きだって言ってたのに?」
「僕を捨てたのは、そっちだよ。」
「まあ、そうだけど。俺は今フリーだから、ヨリを戻してもいいぞ。」
「何言ってるの?」
ああ、こいつは、クズの元カレだ。俺は直感した。
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