周遊師匠

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律さんもプディングは初めてだった様で、興味深く希世さんに作り方を聞いておられました。 私は珈琲の前に、徳利に残ったお酒をお猪口に注ぎ飲み干しました。 以前の私なら、これだけのお酒を戴くと倒れてしまっていたかもしれません。 ようやく、律さんも打ち解けて来たのか、希世さんと笑いながら話をされてました。 物心付いた時には父上の仕事場で、その仕事を見ていた事。 新たな洋風の建築が出来ると、そこにある建具を見に行き、勉強している事など、面白い話をしておられます。 そして珈琲とプディングを召し上がった後で、律さんも徳利に残ったお酒をお猪口に注ぎ、飲み干されました。 「今日はご馳走様でした…。本当に何とお礼を言えば良いか…」 と、律さんは頭を下げておられます。 「いえいえ、これから頑張ってもらわないといけませんし」 と私も律さんに頭を下げました。 律さんは何度もお礼を言われながら立ち上がられます。
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