周遊師匠

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「知ってます。私にも葉書が来てました。美味しいモノを食べたって報告だけが書かれたモノですが…」 どうやら私宛の葉書と内容は同じ様です。 「何か、それを読んで悔しくて悔しくて…」 白井さんは本気で悔しそうでした。 「要君…」 と白井さんは身を乗り出して来られます。 「はい」 私は二枚目のクッキーを手に取り口にしました。 「先生ばかり良い思いして悔しいので、私たちも行きませんか…」 私はクッキーを珈琲で流し込んで、 「行くって何処に…」 そう訊きます。 白井さんは少し考えて、 「吉原なんてどうですか」 私は口元でカップを止めて目を見開きました。
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