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「¥&@{#^}++[%^**〜〜っ!!!!」
「だから違うと言っている!」
ん?なんか言い争い?!
「とにかく降ろしなさいよ!」
「断じて断る!!」
「へっ?」
パッと目を開けるとくーちゃんとりゅうちゃんが思いっきり言い争いをしていた。
「あ、あなたやっと起きたの?この人誰よ!今日のお客さんじゃないでしょ?まさかこいつにヤられたの?!」
「えっ、いや?」
「何寝ぼけてんのよ!とにかく降りなさい!」
「えっ、あっ、あぁ、ねぇりゅうちゃん下ろして」
「嫌だ」
「なんで?お店までって言ったじゃん」
「部屋まで送る」
「もうお店の中だから結構です。抱っこしてくれてありがとう、でももう大丈夫だから」
「・・・・・・・・・」
うん、これは僕でも説得は無理だ。
「あー・・・くーちゃん?無理だわ。部屋まで送ってもらう」
「ちゃんと知り合いなのよね?」
「あー、うん。知り合い知り合い。大丈夫。ごめんね心配かけて」
くーちゃんもやっとホッとしたみたいで、肩の力が少し抜け、口調が柔らかくなった。
「全くもう、肝冷やしたわよ。どっかで倒れて運ばれてるのかと思えばお店に着いてもその人一向に下ろしてくれなくて焦ったわよ」
「うーん・・・ごめんね、倒れたとかじゃないんだよねぇ・・・それが。兎に角ちょっと疲れて寝てただけだから大丈夫。心配しないで」
「あのお客さんダメだった?ブラックに入れようか?」
「是非そうして下さい」
「「え?」」
今まで黙ってたりゅうちゃんが率先してブラックリストに入れろと主張している。なんで?
「えっと・・・理由聞いてもいいかしら?」
「あーちゃん大事にしないからです。ホテルから出てきた時腰とお尻が痛くて最悪とあーちゃんがぼやいていて、本当にきつそうだったので」
「えっと・・・うーんと・・・そりゃねぇ、受け入れる方が圧倒的に負担が大きいから、腰とお尻が辛いのはしょうがないことだけど・・・」
「りゅ、りゅうちゃん?大丈夫だよ?これが仕事だしね?」
「ダメだ。多分見てないから分からないが、お尻が赤く腫れてるはずだ。歩き方もかなりおかしかった。かなり強引なセックスをしたのは明白だ。腕も少し赤いところが見えた。押さえつけられていたのだろう」
「いや、ほら、盛り上がったりとかしたらそう言うこともあるでしょうよ!もう!りゅうちゃんいいから!」
「大事にしないやつなんか・・・」
「なるほど。えっと・・・強引だったのは事実なようね。要注意リストに入れとくわ。おんなじような言動があれば次からは出禁ね。それでいい?」
「うん、くーちゃんありがとう」
「あんな客よりあなたの方がよっぽど大事よ。とりあえず今日はもう上がりでいいわよ、ゆっくりしなさい」
「うん。ごめんね、くーちゃん」
「なんか胃に入れてから寝なさいね」
「はーい」
りゅうちゃんはくーちゃんにお辞儀をして、そのまま僕は上の階の自分の部屋に連れて行かれた。
「はい、りゅうちゃん、もう降ろして」
「大丈夫か確認しないと安心できない」
「確認って?」
「お尻だ」
「え、りゅうちゃんむっつりスケベ?」
「・・・・・・・・・」
「もしかして部屋まで送るのはそれが目的?」
「いや・・・そうじゃなくて・・・単純に心配なんだ」
「うーん、自分で軟膏塗れるから大丈夫だよ?心配してくれてありがとう。でもこれが僕の今の仕事だし、あとはゆっくりするだけだから、本当に大丈夫」
「・・・・・・俺が塗る」
「へ?」
「俺が塗る。その後寝かしつけたら俺は帰る」
「自分で出来るし、流石に恥ずかしいんだけど?」
「・・・・・・」
「その無言やめてよね。怖いから普通に。あぁーもう分かったよ。先にシャワー浴びさせて?」
「俺が洗う」
「風呂までついてくんの?ヤバっ。服濡れても知らないよ?」
「あぁ、俺は脱がないから安心しろ」
もう何言っても聞かないやつ。なんでこんなやつの思い通りに動いてしまっているんだろう?自分でも不思議に思いつつも脱衣所で全部脱いで、お風呂場に置いてあるスケベ椅子に座って待機する。
すぐにりゅうちゃんはシャツを捲って、ズボンも捲った状態で入ってきた。
「先に頭洗うがいいか?」
「はぁーい。もう好きにして?」
シャンプーをつけた指がシャカシャカと僕の頭を泡立てていく。え?この子めっちゃシャンプー上手いんだけど・・・?
「上手だね〜りゅうちゃん」
「そうか?葵の髪サラサラだな」
「ん〜?確かに髪の毛細いからねぇ、でも細いから絡まりやすいんだよ?」
「そうなのか。俺の髪なんか葵と比べたらタワシみたいだな」
「たわし?なにそれウケる」
「こんな綺麗な髪の毛と比べたらタワシも烏滸がましいかもな」
「いやいや、りゅうちゃんそれタワシに失礼だからね〜」
「そうか?」
なんか自然に会話できて楽しい。同級生とこんなに話できたこと殆どないなぁ。
しかも頭皮マッサージまでしてくれててちょー気持ちいい。あ゛〜ジジくさい声出そう。
「あぁ〜ちょー気持ちいい。疲れ吹っ飛んでく」
「よかった」
ん?いや?待て待て。そもそも疲れた原因の一端コイツのせいだよな???え、でも今ここでツッ込んだらあーちゃんと葵が同一人物って認めちゃうってこと?それはダメだ・・・でももうバレてるよね?
「頭流すぞ」
シャンプーとコンディショナー終わったからお風呂場から出ていくかと思えば、そんなことはなかった。
「身体洗うぞ」
「いやいや、身体ぐらい自分で洗います」
「ダメだ。怪我してないかもチェックする」
「えぇ、なにそれ。めっちゃムッツリすけべじゃん」
ボディソープをつけたりゅうちゃんは、ゆっくり確認するかのように肩から背中を素手で洗い始めた。
「ねぇ、そこボディスポンジとかじゃないの???なんで素手?」
「いや...なんか素手じゃないと傷がつきそうだし、何より素手じゃないと怪我とかわからない」
「やっぱ変態じゃん!!」
「いいから大人しく洗われとけ」
スルスルと確認するように丁寧に洗われる。くすぐったいし、プロだから慣れてるはずなのに恥ずかしい。
足も終わって残るは股間とお尻。
「流石に自分で洗わせてくれるよね?」
少し圧強めに言うと、大人しく引き下がって、お風呂場を出て行った。
あれ?大人しく退散できるんじゃん。
ぱぱっと洗って、彼を追うようにお風呂場を出た。
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