第6話 白身魚のオーロラソースがけと王城での舞踏会と

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「いえ、大成功です! これならば、もうこの後の工程は安心だと思います!」  リーデンハルク様の作ったソースの素は分離せず、上手く乳化された状態だった。リーデンハルク様であれば一回で成功させてしまうのではないか、と思っていたけれど、本当に成功させてしまうとは。私でも何度も失敗しているのに、素晴らしい。  私は恥ずかしいくらいにはしゃいでしまった。まるで子供みたいだ、と自分で気づいたときには 「そう、か……、そうなのか、それは良かった」  リーデンハルク様がほっとしたような顔をして、それが徐々に嬉しそうな表情になって私に笑い掛ける。  ――今夜のリーデンハルク様はよく笑う。いつの間に、こんな風に笑うように……。ああ……、私、やはり、この方にとても惹かれている。とても愛おしいと思ってしまう。 「あとはお酢を混ぜて、さらさらになったところに残りの油をまた少しずつ混ぜ、塩、胡椒を入れて、トマトピューレを混ぜ込んだら完成です」  自分の心の変化をリーデンハルク様に察せられないように、と考えていたら反って淡々とした説明になってしまった。これでは、まるで、私がリーデンハルク様を嫌っているように見えないだろうか? なんとも思っていないような顔をしていると。  だから、リーデンハルク様は 「私は君に言っておかなければならないことがある」  と突然切り出したのではないだろうか?
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