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「もう、随分と空が高くなったね」
「ええ、ハロウィンも終わって、これから寒い冬が待っているかと思うと憂鬱ですよ」
私は煙草を吹かし、先輩はエナジードリンクを嗜みながら、他愛のない雑談を続ける
洋服やコスメのことはもちろん、最近見ている動画の話や可愛い動物のショートムービーを見ながら話をしていると、あっと言う間に時間は過ぎ去っていった、設置された灰皿に吸い終えた煙草を葬る。
「煙草もエナドリも空になったし、そろそろお開きとしますか、寒くもなってきたしね」
「ええ、お疲れ様でした、ひな先輩」
「あずちゃん」
私が先陣を切って狭い道を通り抜け、大通りに出ると後ろから名前を呼ばれた
「あ、ここからはあおいちゃんだっけ」
「そ、そうですね、楓せん」
「同い年だし、勤務中じゃないんだから呼び捨てで良いよ」
「あ、え、は、はい……解ってはいるんですが楓さんってどうしても、頼れるお姉さんって認識しちゃってて……」
「嬉しい事言ってくれるのね、お休みが合えば甘えてみる?」
「うわ、何それ…甘美な響きだ…」
「あおいちゃん、夜道には気を付けるんだな!」
「え、突然何なんです?こわ……」
「危ないからね」
「いや、良い人かよ…」
手を振り、互いの道を歩みだした、先輩は駅方向へ、私はと言うと……
「ん?明日お休み?だっけ?」
「ええ、明日と明後日はお店に居ませんのでちょっと公園に寄り道して帰ります」
「本当に気を付けるんだよー?」
「先輩も列車に乗る時は気を付けてくださいね!」
「はーい」
徒歩で行こうかな、とは思ったものの、流石に夜遅い時間にのんびりと向かうのはちょっと怖いので近くの停留所で路線バスに乗って、デートスポットで人気の臨海公園へと向かった。
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