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まだ、意識がハッキリしていないようで頭を抑えていた
「きゅ、救急車呼びます?」
問いかけに彼女は目を見開きながら、先ほどの私と同じ様にあたりを見回していた。
「eh.......where are we/ここは何処ですか?」
お見事な程に、え、英語だ
スマートフォンを取り出して、音声認識アプリを使って彼女と会話をする事を試みた、私は日本語を吹き込み英語へ、謎の少女は英語を吹き込んで、日本語へと変換する
[ここは日本だけど、貴女は何処から来たの?]
[二ホン……?って何処ですか?]
「え、えっと、ジャパン?」
[黄金の国ジパング…ですか?]
久しぶりにそんな言葉を聞いた、どれくらい前だろうか遠い遠い昔学校の授業で聞いたわね…
たどたどしくも会話を続けているとどうも彼女と私の世界常識が随分と異なっているような気が……
会話を続けようとした矢先、彼女のお腹からとてつもなく情けない音が鳴り、広場に響かんばかりの勢いだ
「あーア―ユーハングリー?/お腹空いてるの?」
流石に、翻訳機を使うまでもない簡単な表現はとりあえず単語を繋げて話してみる事にカタコトで恰好悪いかもしれないけど、状況が状況でちょっと煩わしくお腹に手を当てている彼女を見ているといたたまれなくなる
すると、何とか通じたみたいで彼女は静かに頷き
小さく短い声で端末に向かって話していた
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