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[物凄く、お腹空いた]
「Ah...eh...お、お、オナカスイタ」
「ん、解った、ちょっと失礼」
随分と気合の入った、ハロウィンモードの魔女っ子だけど、あまりにも謎が多すぎる状況ゆえ持ち物検査をする事にした。
「Wha!?what are you doing?!/な、何してるの!?」
「ドントウォーリードントウォーリー、せ、セキュリティーチェック?」
そういうと、彼女は身を縮こませながら私に身を委ねてくれた
少し震えている、体力の低下か空腹のあまりに震えているのかはよく分からなかった。
彼女が持っているのが、ずいぶんとごつく重たい金紙に包み込まれた小さめのチョコレートコインが多数と箒とその身だけ。
身分証明書は無い……何らかの決意をして、もしこの子が家出少女とかの類だと仮定し警察に連行すると多分物凄く面倒な事になる。
遠い昔の記憶が微かに蘇る、ある日の事だった。
中学生時代、夜遅くに遊ぼうと友人に誘われて、補導されたとき何とかなるだろうと思い,その日は身分証を家にぶん投げて遊んでいたところ、運悪く警察に見つかり
驚いた事に身分証を持っていない方がより面倒くさくなり、親により厳しく怒られた記憶が蘇る
「きゃ、キャンユースタンドアップ?」
私のたどたどしい英語に彼女は静かに頷いた。
ゆっくりと立ち上がるとふたたびお腹の虫が鳴りだす
こんな状態で話なんてしてたら、もしかしたら倒れるかもしれないし。
まずは……我が家で保護して、話をよく聞こう。
それから警察に行くか行かないかを考えるのも別に遅くは無いと思った。
彼女の手を引っ張り、箒を持ってきた道を辿り大通りへと戻る。
ここから私の家まではバスと徒歩をミックスしても約小一時間はかかるし
バスの便数も少ないから下手すれば二時間弱になるかもしれない……
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