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3.相性最高の恋人
昨夜まで苦手だと思っていた彼に、
こんな気持ちを抱くなんて。
それでも彼を好きだと自覚した以上、
昨夜までの自分には
もう戻ることはできなかった。
「岸野くん?どうしたの」
いつの間にか僕は彼を見つめていたらしい。
彼にそう訊かれて、ぎこちなく微笑んだ。
「これから肉まん補充するけど。
時間までに全部売り切ってね。よろしく」
「はい」
抵抗することなく僕が頷いたからか、
今度は彼がぎこちなく微笑む。
「あれ、素直」
「たまには、です」
彼とのやり取りが、
初めて心地よいと思っていた。
これから少しずつ、
彼に好きな気持ちを返していこう。
果たして、
彼はどんな風に愛してくれるんだろう。
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