君に恋する青い月【特別編の番外編⑦】決してのぞかないでください

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「ほら、こうやってやるのよ」  そう言って山村は、力士が四股を踏むようなポーズを取り、股を開いたまま身体の重心を下げて数秒間保っていた。 「えっ!このポーズを!?」  あまりにも足を広げたポーズ。  これは人の居るところでは恥ずかしい。  頬を赤くしながらも、汐里は山村を見つめていた。 「でも、これが効くのよ。股関節の筋肉にじわ~っとくるの!痛いけど気持ちいいよ!やってみな?」 「えっ!今ここでですか?」  あまりにも恥ずかしすぎて、汐里は困った表情で手をぶんぶん振り回した。 「今ここでやらなくてもいいよ。寝る前なんかにやれば?林さん一人暮らしなんだし、誰も見ないんだから思いっきりやれるでしょ?」 「あ、今一人暮らしじゃなくて」  汐里は伏せ目がちになり、違う意味で頬を赤くした。 「え、違うの?実家に戻ってるとか?」 「違うんです。その、彼氏のお家で、一緒に住んでます……」  数秒間の沈黙。  その空気を破ったのは、山村の雄叫びだった。
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