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弾むような心地良いBGM。
インテリアショップの店内は、パステルカラーの春らしいディスプレイで心にも花が咲くような気分になる。
汐里は、口元に微笑みを浮かべながら陳列棚を整えていた。
レジカウンターに戻ってくると、先輩の山村が振り返った。
山村は最近ジムに通っているらしい。
プロポーションを良くするためと、筋肉を付けるためだそうだ。
「だって、引き締まった身体って理想的じゃない?」
そう言って、右腕を首辺りに回してセクシーなポーズを取る山村。
パートの竹中はクスクス笑っている。
「わぁ~!山村さん素敵です!努力家なんですね~!」
汐里は、両手を胸の前で組んで感激を表した。
山村は彼氏とラブラブで、ペアルックを楽しむなど充実しているようだ。
「林さんは何も運動とかしてないの?」
汐里の言葉に山村が反応した。
「私は、特に何もしてないですねぇ。職場までの道を歩くぐらい?」
「ふぅ~ん。今のうちからやっとかないと、お尻が垂れてきたりしたら彼氏に幻滅されちゃうよ~」
いひひと笑う山村。
竹中は、汐里はまだ二十歳なのだから大丈夫だと言ったが、当の汐里はお尻の垂れた自分を想像して顔面蒼白になっていた。
「えっ!やだ!どうしよう!」
「林さんだって、彼氏にだらしない身体してるなんて思われたくないでしょ?」
「思われたくないです!」
山村はいたずらっこのように笑い、そして竹中に店を頼むように言って汐里をストック場に引っ張っていった。
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