あんことラムちゃん

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あんことラムちゃん

————————————————— 【前回までのあらすじ】 AI翻訳機によって話せるようになったあんこ(♂)。 自分の意思を人間に伝えられるけど、人間の言葉は分からない。 猫からの一方通行のコミュニケーションは人間界でどこまで通用するのか? —————————————————- 「ダーリン、うちはお腹が空いてるっちゃ」 あんこは大きい方のヤツにご飯を催促している。 「早くするっちゃ!」 今日のあんこは「うる星やつら」の『ラムちゃんモード』だった。 「わかってるよ。待ってて、チャ」 ラムちゃんになりきれない大きい方が不器用に答える。 「ママ、あんこのラムちゃん、かわいいのかな?」 大きい方のヤツはママに言った。 「かわいいじゃない。ねーあんこ。」 「そうだっちゃ。うちはかわいいっちゃ。」 あんこは言った。 あんこは大きい方のヤツに要求した。 「ダーリン、うちをなでるっちゃ。」 大きい方のヤツが撫でるとあんこはすぐに飽きてきた。 「ダーリン、なにするっちゃ、もうあきたっちゃ。」 あんこは大きい方のヤツを噛んだ。 気分屋の猫がラムちゃんモードで話すとわがままさが際立つ。 大きい方のヤツはすっかり疲れてしまった。 「あたる君の気持ちがよくわかる。」 大きい方のヤツはママに言った。 「そうね。ラムちゃんが言うとかわいく聞こえるけど、あんこが言うとわがままな女子みたいね。」 「ラムちゃんをかわいく使うのは難しいんだよ。」 大きい方のヤツもママも『ラムちゃんモード』があまりかわいくないことに気付いたようだ。 「うちはもう眠いから寝るっちゃ。」 そう言ってあんこは猫ハウスに戻って行った。
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