あんこは勇者

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あんこは勇者

————————————————— 【前回までのあらすじ】 AI翻訳機によって話せるようになったあんこ(♂)。 自分の意思を人間に伝えられるけど、人間の言葉は分からない。 猫からの一方通行のコミュニケーションは人間界でどこまで通用するのか? —————————————————- あんこは開いていた窓から外へ出て散歩に出かけた。 今日のあんこは「勇者モード」に設定されている。 あんこはたまに散歩に出る。 お腹が空いたら戻ってくるので家族はあまり心配していない。 *** 「あんこちゃん、こんにちは。」 近所のおじいちゃんがあんこを見つけて声を掛けてきた。あんこはおじいちゃんと友達だ。 「俺は勇者あんこ。魔導師よ、俺と冒険に出ようじゃないか。」 「あんこちゃん、話せるようになったのかい。大したものだ。冒険に行こう。」 「よし、ついてこい!」 おじいちゃんはあんこの後をついて行った。 *** 「あー、あんこじゃん」 小さい方のヤツの友達があんこを見つけた。あんこの顔見知りの小学生だ。 「俺は勇者あんこ。お前を戦士として俺のパーティに入れてやろう。」 「なんか面白そう。」 「よし、ついてこい!」 小さい方のヤツの友達はあんこの後をついて行った。 *** 「あー、あんこちゃん。こんにちはー。」 今度は近所のおねえさんがあんこに声を掛けた。あんこの大好きなお姉さんだ。 「俺は勇者あんこ。お前をヒーラーとして俺のパーティに入れてやろう。」 「はーい。」 「よし、ついてこい!」 近所のおねえさんはあんこの後をついて行った。 *** 勇者あんこと4人の冒険仲間がそろった。 冒険者パーティの結成だ。 4人の冒険仲間はあんこの後ろをついて行った。 道を歩いているとあんこと敵対するケルベロス(近所の野良猫)が現れた。 「魔導師、出番だ。いけ!」 あんこは魔導師に指示を出した。 「・・・・」 魔導師は何のことだかわからなかった。 「おじいちゃんのことだよ。」 空気の読めない魔導師に戦士が伝えた。 「おー、魔導師はわしかー。ちょっと戦ってくる。」 魔導師が近づくとケルベロスはすぐに逃げて行った。 「よくやったぞ、魔導師!」 あんこは魔導師を褒めた。 「勇者様、ありがとうございます!」 老いた魔導士は勇者に褒められて嬉しそうだ。 *** こんな調子であんこの冒険者パーティは次々と敵を倒していった。 あんこはお腹が空いたので自分の家に向かうことにした。 冒険者パーティのメンバーもあんこについて行った。 家の前にくるとママが玄関から出てきた。 勇者あんこが近所の人達を連れてきたようだ。 ママは4人の冒険仲間に謝りながら「勇者モード」をオフにした。
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