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1 瞳の中の青空
ーーおい、大丈夫か……?
誰かの声がする。重い瞼を開けると、そこには白い髪の男の子がいた。男の子は、白地に黒いフードがついた服に身を包んでいる。大きな瞳は、美しい青色だった。
「綺麗な目……」
私が思わず見とれていると、男の子は少し照れ笑いして、
「目の色?空の色と同じなんだ。本物は見た事ないけどさ」
と言った。
「そんなことより……君、どこから来たの?服もボロボロだし、下界に一人でいるなんて……あ、君も蘇生士なの?」
「蘇生士……?」
「そう。蘇生士って知らない?」
蘇生士……一体何だろう。それだけじゃない。私の名前は?どこから来て、どうしてここで倒れてたの?
何もかも、分からない……。
「ごめんなさい……私、何も分からない」
私は目を伏せた。でも、男の子は私の頭を優しく撫でて笑った。
「大丈夫。きっと混乱してるだけだよ。ほら、俺と一緒に浮遊大陸へ帰ろう?」
「浮遊大陸……?」
私が戸惑っていると、男の子は東の空を指さした。そこには、確かに空に浮かぶ大陸が存在した。
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