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「あれが浮遊大陸エデン。俺達の御先祖様が作り上げた、空に浮かぶ楽園だ。下界は黒毒が蔓延してるせいで、人なんて住めないから」
黒毒……?なんだか凄そうな名前。でも、じゃあなんで私は無事だったんだろう……。
その時、左手の人差し指に、キラリと光る物を見つけた。透明色の石の指輪だった。心なしか少し黒ずんでいるけど、それでも綺麗なものだ。
「それ、守護石だ!やっぱり君、蘇生士と何か関係が……」
男の子が目を輝かせた、次の瞬間。
ウォォォォ!
背後から唸り声がして、私は振り返った。すると、そこには黒くて大型の狼がいた。
「影魔……!ダークフェンリルだ!」
男の子は腰に据えていた剣を構え私を庇うように前へ出る。でも、その足は少し震えていた。
「やるしかない……やるしかないんだ!」
男の子はそう言ってダークフェンリルに突っ込む。何度も剣を振るって攻撃しようとするが、中々当たらない。
グルルルル……!
ダークフェンリルが鋭い爪で剣を弾き飛ばした。男の子は丸腰になり、その場にへたり込む。
「う……うわ……」
このままじゃ彼がやられちゃう!何とかしなきゃ……。
何かないかと辺りを見渡すと、少し離れた所に拳銃が落ちているのを見つけた。
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